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幸絵030『クリスマスの葛藤 嘘でも真実』

「それ、本当なの・・・
 幸ちゃん・・・?」

滝沢は幸絵のミスであるという
言葉を疑った。

1401226d.jpg


「ほ・・本当です・・・
 私が店長からの指示で
 予約と当日販売のケーキを
 メーカーにお願いしたんです。

 その時・・・
 予約の数量を当日数量に
 ダブらせてしまって・・・

 すみませんでした・・・
 結局は皆さんにご迷惑を
 お掛けするようなことになってしまって・・・

 本当にごめんなさい・・・。」

幸絵の嘘は、
他人に嘘と思わせない。

何故なら、
本気で彼女は自分の過ちとして
償っているからだ。

出入り口付近で販売することを
提案したのは幸絵であり、

もう少し、思慮深く
滝沢たち店員にも話すべきだったのだ。

何より室山店長を助けるはずであったことが
今は彼を困らせている・・・
その気遣い、配慮の無さが
この事態を招いていることを
痛烈に感じていた。

「本当に、この店長が・・・?」

訝しげに滝沢は尋ねた。

「は・・はい・・・。
 店長にもご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」

「あ・・ああ、いいよ、
 ・・気にしなくても
 ・・失敗は誰にでもあるものさ・・。」

「・・ありがとうございます・・・。」

幸絵は二人に向かって頭を下げた。

「で・・・どうするの?
 安売りでもするの?
 予約のお客も黙ってないわよ・・・。」

店長のアイデア


「・・・はい、
 それも店長がこんな方法で・・・って。」

幸絵は
自分が思いついた販売方法を
二人に話した。

「ふーん・・・、
 そんな方法をね・・・この店長が・・・?」

「はい、
 ・・・ですよね、店長?」

「ん・・・、
ああ・・・
そう・・そうだね。」

一瞬考慮した
滝沢女史が幸絵に向かって呟いた。

「で・・・私たちは
 何をすればいいの・・・?」

しょうがないわねとばかりに
その顔は微笑んでいた。

<あとがき>

よかったね、
幸ちゃん。

次回はやっとサンタさんだ・・・。

もう2月だと言うのに。

コメント

もう3月になっていまいました。
結構楽しみにしているのですが。
忙しいのですかね。

よろしく、お願いします。
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よろしくお願いします。

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